【クルーズ船の現役日本人乗務員に聞く!第一弾】船旅のプロが語るクルーズ旅行の魅力とは

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今、日本で注目を集めているクルーズ旅行。クルーズ船=豪華客船というイメージを覆すようなカジュアルな値段で楽しめる外国籍クルーズ船が、日本発着で続々と就航するようになってきているのです。しかし、まだ一度も乗ったことのない方からすれば、敷居が高く感じてしまうところがあるかも。そのため今回は、クルーズ旅行をより具体的にイメージして頂けるように、現役日本人乗務員に直撃インタビュー!船旅のプロが語るクルーズ旅行の魅力をお伝えします。

一期一会のお客様との出会いがある。自由なクルーズ旅行の魅力に惹かれ、乗務員の仕事に就く

——現在、クルーズ会社「スタークルーズ」のクルーズ船「スーパースター ヴァーゴ」の日本人乗務員としてご活躍されていますが、これまでのご経歴をお聞かせください。

日本人乗務員・山内さん(以下、山内さん):ちょっと変わった経歴なのですが、もともとは自動車メーカーで車の開発をしていたんです。その後に、ご縁のあった韓国料理屋を引き継いで、飲食店経営をやっていました。そして、飲食店を閉めるタイミングでクルーズ船の乗務員として働いてみないかというお誘いがあり、最初は1年くらいやってみようと思って気軽に始めたところ、気づけば10年目になりました(笑)。

——クルーズ船の乗務員のお仕事をなぜ選びましたか? また、どのようなやりがいがあるのでしょうか。

山内さん:自分の働き方の肌に合ったというのが一番の理由です。仕事でいろいろな国に行くことができますし、クルーズ旅行では一度の旅程で2,000人を超えるお客様を船にお迎えして、おもてなしをします。一度にそれだけの人たちと出会い、関わることができる仕事は他にはないのではないかと思います。たくさんの方と触れ合うことができるのが、やはりやりがいですね。

クルーズ旅行の魅力は乗船した瞬間に船旅が始まること。まさに「動くホテル」。リピート率も圧倒的

客船ロビー

——乗務員からみたクルーズ旅行の魅力を教えてください。

山内さん:クルーズ船の魅力はなんといっても、エンターテインメントが充実した「動くホテル」だということです。船内設備は一流ホテルのように整備されていますし、乗船した瞬間からゴージャスな船旅が始まります。旅客機での旅行は、エコノミークラスなどでは窮屈な思いをしますし、小さなお子様連れのご家族の場合は気を使いますよね。その点、クルーズ旅行ならプライベートな空間が保証されていますから心配もいりません。年配の方や車椅子の方なども安心して利用頂くことができます。そしてやはり、景観が圧倒的に素晴らしいです。海の景色、空の青さ、夜には満天の星空が楽しめます。

——利用者の年齢層はいかがでしょうか? どのような方々が利用されていますか?

山内さん:様々な年齢層がいらっしゃいますね。家族連れの方がやはり多い印象はあります。私はシンガポールやインドなど、アジアのいろいろな寄港地で乗務を行ってきましたが、お父さんお母さん、お子さん、お祖父さん、お祖母さんまで、家族全員で乗るスタイルが多いですね。クルーズ旅行はとにかく無理のないゆったりとした時間を過ごすことができるので、家族向けなのだと思います。日本では若い方は長期のお休みが取りづらい関係もあってか、年配の方々の利用が多いように感じられます。近年ではショートクルーズなども充実してきていますから、若い方にもぜひともクルーズ旅行の魅力を知っていただきたいですね。

——一度乗ったお客様のリピート状況はいかがでしょうか?

山内さん:クルーズ旅行は、一度乗ってしまうとその魅力が忘れられなくなります。旅客機での旅行と比べて圧倒的に楽ですから。ほとんどの方はもう一度乗りたいとおっしゃりますし、リピート率は非常に高いですね。

クルーズ旅行では船内設備を楽しみ尽くしてほしい。積極的に楽しむのが通のクルーズスタイル

豪華客船内プール

——クルーズ旅行の通な過ごし方を教えてください。

山内さん:ずばり、お部屋にいる時間を極力減らして、船内設備を隅々まで楽しんでください。中にはほとんどをお部屋で過ごされるお客様もいらっしゃいますが、それはもったいないです。船内のイベント状況などをお伝えする船内新聞がありますので、朝は必ずチェック頂いて、いろいろとアクティビティーにチャレンジしてみてください。クルーズ船ではエンターテインメントショーや参加型のイベントなど、たくさんのアクティビティーがあります。また、船旅ならではの楽しみ方として、乗務員とのコミュニケーションがあります。楽しい船旅にするためのコツなどもお伝えできますから、ぜひ積極的に話しかけていただければ幸いです。

——クルーズ旅行での穴場の過ごし方はありますか?

山内さん:「スーパースター ヴァーゴ」には、キャプテン(船長)の操縦室が見える場所がありますので、ぜひとも一度お立ち寄りください。飛行機でいうところのコックピットのような場所ですから、貴重な体験になると思います。また、ガラディナーと呼ばれる、キャプテンとのお食事会も参加できる場合がありますから、そちらもおすすめです。「スーパースター ヴァーゴ」ならではの穴場としては、船の先端のタイタニックポイントがあります。映画「タイタニック」のように先端まで行くことができるんです。ただ、航行中は入れないのと、停泊地での天候の影響などもありますから、いつでも入れる場所ではないことはご了承ください。そういう意味でも穴場ですね(笑)。

——寄港地のおすすめの過ごし方はどのようなものでしょうか。

山内さん:おすすめは船内ツアーをご利用いただくことですね。自由行動で楽しむこともできますが、移動などにタクシーを利用したりすると費用が意外とかかることがあります。その点、船内ツアーを利用いただければ寄港地の名所までバスを手配したりすることも可能ですから、お得かつ便利に寄港地をめぐることができます。また、どのような場所に行きたいか、何を食べたいかなど、寄港地の下調べも大事です。お悩みの際は乗務員に気軽にご相談ください。

カジュアルクルーズはリーズナブルでハードルも高くない。新しい旅の手段として船旅を選択する時代に

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——最後に、まだクルーズ旅行を利用したことのない方に一言お願いいたします。

山内さん:クルーズ旅行にまだ行ったことがない方は、クルーズ船とフェリーの区別もつかないかもしれませんが、移動手段であるフェリーとは違って、クルーズ船はまさに「動くホテル」です。世界各国の美食が楽しめるレストランや、トップクラスのクオリティを誇るスペクタクルショーが楽しめて、いろいろな出会いのある場所です。しかも、クルーズ旅行は旅費の中に、移動費、宿泊費、無料レストランでの食費、施設利用費など、ほとんどが込みです。ツアーによっては一泊10,000円代で泊まれるキャビン(客室)もあります。私の両親もクルーズ旅行に招待したところ、行く前は「クルーズなんて、自分たちには似合わないからいいよ」というようなことを言っていたのですが、一度行ったらとても気に入って、「また行きたい!」と話していました。「スーパースター ヴァーゴ」はカジュアルクルーズなので、ドレスコードなども厳しくなく、気楽に豪華客船気分の船旅が楽しめます。ほんとうに魅力的な旅行手段なので、ぜひとも新しい旅行のかたちとして、クルーズ旅行をご検討いただければと思います。

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