クルーズ旅行の誕生から現在まで、進化し続ける船旅の歴史と世界の利用者傾向
まず、海外で発祥したクルーズ旅行文化の歴史についてみてみましょう。クルーズ旅行の原点は、大陸間の移動のために使用されていた外洋客船の船旅にあったといわれています。豪華客船のイメージを定着させた「タイタニック」も、巨大豪華客船が次々につくられた19世紀半ば頃に誕生しており、外洋に向かう主要な移動手段として繁栄していきました。
その後、20世紀半ばの飛行機の発展に伴って、客船によるクルーズはスピードでの利便性に勝る飛行機に需要を奪われてきましたが、近年はリーズナブルさと船内施設の充実ぶりから、レジャーを重視した旅行手段のひとつとして再度注目が集まってきています。
また、国土交通省が2016年2月2日に発表した資料をみると(参考URL:https://www.mlit.go.jp/common/001119263.pdf)、クルーズ旅行の利用者は世界的に増加傾向にあることがわかります。10年毎のクルーズ旅行利用者の増加傾向を確認したところ、1990年に463万人、2000年に1,030万人、2010年に2,116万人と、10年毎に倍増してきているのです。ただし利用者の内訳としては、欧米人が過半数を占めており、日本をはじめとするアジアはまだまだ伸び代があるといえます。
日本での国土交通省のクルーズ船誘致に向けた取り組みへの国外・国内での反応の差について
世界的なクルーズ旅行利用者の増加に伴って、日本でも訪日外国人観光客の誘致のため、2020年までに「クルーズ100万人時代」を実現する目標を立てました。結果として、2013年に17万人、2014年に42万人、2015年に111.6万人の訪日外国人観光客を誘致することができ、実に5年の前倒しで目標達成ができています。このことから、海外では船旅の文化が広く認知されたものであることがわかります。
一方で、日本国内の利用者のクルーズ旅行への反応は海外に比べて鈍く、2012年は21.7万人、2013年は23.8万人、2014年は23.1万人と、ほとんど横ばいとなり、海外のクルーズ文化と日本国内のクルーズ文化の受け入れの差がはっきりと浮き彫りになっています。
海外の旅行者は、皆クルーズ旅行の魅力を知っているからこそ、船旅を積極的に旅行手段として利用しています。一方で、日本の旅行者はクルーズ旅行の魅力をまだまだ知らない人が多く、利用者数は伸び悩んでいるのが現状です。
そのために現在、日本の新しい旅行者を取り込むために日本人向けのクルーズ船が続々とお得なプランを発表しており、クルーズ旅行を楽しむなら今が最も狙い目であるといえます。
海外では「クルーズ旅行=手の届かない豪華客船の旅」という先入観はそもそも存在していない
なぜ、これほどまでに日本と海外のクルーズ旅行に関する文化の違いができてしまっているのでしょうか。理由としては、もともとクルーズ旅行が発祥したのが欧米であり、はじめからリーズナブルな船旅のプランが親しまれてきた経緯があります。世界のクルーズ船の実に8割以上が、子供連れのファミリー層や、若い人向けのカジュアルなクルーズツアーを基本にしているのです。そのため、海外では幼い頃から家族でクルーズ旅行に行ったことのある人たちも当然多く、クルーズ旅行に行くことにたいするハードルは自ずと下がっていきます。
しかし、日本では「クルーズ旅行=手の届かない豪華客船の旅」というイメージが先行してしまっており、長年この誤解は払拭されていません。そのため、せっかく魅力的な格安クルーズプランが存在していても、日本の利用者はその存在すら知ることがなく、現在に至っているのです。目の前に、最高の旅を約束してくれる選択肢があるにもかかわらず、思い込みだけでクルーズ旅行を選択肢に入れることができていない日本の今の状況は、非常にもったいないものであるといえます。
今こそ、クルーズ旅行への間違った先入観を捨てて、最高の海の旅に繰り出そう
日本の旅行者のクルーズ旅行への誤解のために、世界では発展しているはずのクルーズ旅行が日本国内で伸び悩んできた流れを知っていただけたかと思います。しかし、これはある意味ではチャンスともいえます。なぜなら、これから多くの日本の旅行者がクルーズ旅行を認知していく段階だからこそ、クルーズ船各社も多数のリーズナブルなプランを展開しており、今ならクルーズ旅行のプランをよりお得に利用することができるからです。
この記事を通して国内のクルーズ文化と国外のクルーズ文化についての差を知った方はとてもラッキーだといえます。ぜひとも、クルーズ旅行の流行の波を先取りして、誰よりもお得に、最高の船旅へと繰り出してみてください。絶対に後悔しない感動の旅路が、海の上にはあります。