早起きは三文の得というけれど。クルーズ旅行の早起きは100万ドルに匹敵する贅沢さ
早起きは三文の得、ということわざがあります。早く起きればそれだけ慎ましくも幸せで得な思いをすることができるという意味ですが、クルーズ旅行での早起きは、海に浮かぶ朝陽を見ることで100万ドルに匹敵するほどの素晴らしい贅沢を体験することができます。
取材クルーが起床したのは午前5時。まだ空は薄ぼんやりとした明るさで、夜の趣が残り、日の出はこれからといった雰囲気でした。この日の日の出の予定は5時41分頃。5時20分頃には部屋を出て、デッキに向かいます。
船内も静まり返っており、多くの乗客が眠りについていることがわかります。静かな廊下を進み、船外へと歩いていきます。なお、クルーズ船内のキャビン(客室)のあるフロアはこのように荘厳なほどの直線の廊下である場合があります。遥か遠くまで続く廊下。ある意味、この風景もとても非日常的な光景ですね。
船外のデッキに出てきました。海風に当たると一気に目が覚め、なんだかワクワクするような気持ちになってきます。これから、海から浮かび上がる朝陽を見にいくのだという高揚感は、他では味わえない新鮮な感覚です。
クルーズ船から見る自然の風景は、秒単位で変わっていく。息を呑む、日の出の瞬間
クルーズ船の船外で最も見晴らしの良いプールサイド越しのテラスまで出てきました。時間は5時40分を回っています。朝陽は出ているようなのですが、朝靄(あさもや)が強く、分厚い雲が邪魔をして日の出の瞬間をなかなか見ることができません。
今日はもう朝陽を見ることができないのではないか……と取材クルーが不安に思い始めた頃、とつぜん龍が空に飛び出していくかのような細長く赤い雲が、遠い空に見えてきました。すると、風が一気に強まり、朝陽の前に立ちはだかっていた分厚い雲を蹴散らしていきます。
少しずつ、雲の稜線(りょうせん)が明るくなり……
海もオレンジ色に明るくなり、太陽が少しずつ見えてきました……
見えました!ご来光。クルーズ旅行で見られる、日の出の決定的な瞬間です。最初は朝靄と分厚い雲のために、もう見られないんじゃないかと思っていただけに、感動もひとしお。そして、この日はさらなるサプライズが……
なんと! 雲の間に、美しい虹が出たのです! 長年、クルーズ船の乗務員をやっている方も、このように海上で虹を見るのは初めてだと話してくださいました。なんと幸運なことでしょう。クルーズ旅行の大自然が見せてくれるスペクタクルの醍醐味を、まさに間近で味わうことができた瞬間でした。
クルーズ船は大海原の中を進んでいるため、雲の動きも非常に早く、予想外の天気になりやすいのが特徴。実際にクルーズ旅行で日の出を見に行くときは、少しくらい曇っていてもあきらめずに雲の様子をみてください。今回の取材のように、劇的なサプライズが待っているかもしれませんよ。
クルーズ旅行で見る日の入りは、日の出とは一味違う、極上のノスタルジーを味わえる
クルーズ船から見る朝陽の日の出に感動した後、一日を過ごし、日の入りを見るために再びデッキへ。まだ空は明るいですが、徐々に夜の帳が近づいてきます。青い海、全身に浴びる潮風。まさに、客船で船旅をしているという実感が身体中を包み込みます。
徐々に、クルーズ船から見える西の空が赤く染まり始めます。日の入りの始まりです。日の出のときとは一味違うダイナミックな赤色に、心が震えるような想いが湧き出してきます。
そして見えたのが、この夕陽です。息を呑むような赤い日の入り。
夕陽はあっという間に、波の向こう側に消えていきます。稜線がだんだんと暗くなり、濃い赤色の光が闇の中に滲んでいく。薄暮(はくぼ)と呼ばれる時間です。胸が締め付けられるような、極上のノスタルジーを感じます。これが、クルーズ旅行で見られる究極の日の入りの瞬間です。
大自然のスペクタクルに心動かされたなら、今年の旅行計画はクルーズ旅行で決まり
クルーズ旅行は、美味しいグルメや、一流ホテルのような客室や、最高のエンターテインメント船内施設の数々が堪能できるのが、言わずと知れた魅力です。しかしながら、何よりも心満たされるのは、今回ご紹介した日の出や日の入りを見るというような、大海原の自然に触れている瞬間。陸を離れ、海の真ん中にいるからこそ味わえる最上級の贅沢なのです。
大自然のスペクタクル。その瞬間をとらえた写真に少しでも心動かされたなら、今年の旅行計画は国内クルーズ、日本発着の海外クルーズ、あるいはフライ&クルーズなどの、クルーズ旅行を選んでみるのはいかがでしょうか。客船の船旅は、あなたの人生に最上の彩りを添えてくれます。ぜひとも、一度ご検討くださいね。