海外へ向かうクルーズ旅行ではパスポートが必要。パスポートは乗船時に預けるスタイルが主流
海外行きの日本発着クルーズや、出発地まで飛行機で向かうフライ&クルーズの場合は、通常の海外旅行と同じくパスポートと出入国の審査が必要になります。ただし、飛行機での移動とは異なり、クルーズ船では乗船時に手荷物検査などを行ったのちに、パスポートを客船側に預けるスタイルが主流になっています。パスポートを預けるという過程が、飛行機での海外旅行とは大きく異なる点です。最初は驚いてしまうかもしれませんが、客船が責任を持って管理してくれるので安心して預けてください。ただし、念のためにパスポートのコピーを持っておくと、万が一の紛失などの場合にも身分証明ができるのでより安心です。
乗船時には、パスポートの代わりに、クレジットカード機能、ルームキー機能、身分証明機能を備えた乗船用クルーズカードが渡されるケースが多いです。乗船用クルーズカードは、船内での通貨やパスポートに変わる大切なカードとなりますから、なくさないように大事に持っておきましょう。紛失時には速やかにレセプションに問い合わせることで再発行をしてもらうことができます。クルーズ旅行慣れしている方であれば、乗船用クルーズカードを使いやすいように首からかけるカードケースなどに入れて持ち歩いています。首かけカードケースは何かと便利なので、クルーズ旅行へ出発する際の持ち物リストに入れておくと良いでしょう。
ちなみに一点、クルーズ旅行でのパスポートで注意すべき点があります。外国籍船に乗船する際に、パスポートは「残り6ヶ月以上の有効期限が必要」であるケースが多いです。また、寄港地によってはビザ(査証)が必要なケースもありますので、出発前に事前に確認しておくと良いでしょう。
クルーズ旅行ではパスポートを預けることで出入国手続きを簡易化してくれる
客船側にパスポートを預けることでどのようなメリットがあるのかといえば、出入国手続きが簡易化されるという点です。クルーズ旅行では、海外の寄港地に滞在する時間が限られているという関係上、何百、何千人という乗客が乗船・下船の際に出入国手続きのために並ぶような事態を避けるために工夫がなされています。
出入国手続きを行う係官が事前に乗船しており、クルーズ船が乗客に代わって事前に出入国手続きを代行してくれるような仕組みを取っているのです。そのため、飛行機で海外に降り立つ際に比べて、クルーズ船で寄港地に降り立つ方が簡易の手続きで出入国ができるようになっています。日本でも観光立国実現に向けたアクション・プログラム(平成25年6月観光立国推進閣僚会議)において、クルーズ船入港時の入国審査手続の更なる迅速化・円滑化が議題となり、手続きの簡易化に向けた対策が行われています
(参考URL:http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg2/boeki/140402/item1-2.pdf)。
寄港地に下船する際には、乗船用クルーズカードによって下船できる場合もありますが、国によってはパスポートの所持が義務付けられている場合もありますので、こちらは事前に確認しておくと良いでしょう。
なお、下船に要する時間ですが、クルーズ船の平均的な乗船人数である2,000人規模の乗客が一斉に下船しようとした場合、簡易手続きで90分程度、簡略化のない入国審査がある場合だと180分程度かかるとされています。一斉に下船が行われるような寄港地に降り立つ際には、早めに下船手続きを行うように意識しておくとスムーズに観光に入ることができるでしょう。
クルーズ船は出入国手続きも簡易で行えるように工夫されている。至れり尽くせりの旅路へいざ出発
クルーズ船での出入国手続きやパスポートに関する情報をまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。クルーズ旅行は、出入国手続きも簡易で行えるように工夫がされており、飛行機での旅に比べてタイムロスができるだけ少なくなるように配慮されています。ぜひともこの機会に、至れり尽くせりのリーズナブルに楽しめる客船の船旅へ、足を踏み出してみてください。