クルーズ船=豪華客船で値段が高い、というイメージは古い!今、お得なカジュアルに楽しめるクルーズがトレンド
——今回説明会を行っていたスタークルーズ「スーパースターヴァーゴ」の日本発着クルーズは、カジュアルに楽しめるクルーズの中でもかなりお得な内容になっていると思いますが、最近ではどのようなクルーズが流行していますか?
阪急交通社クルーズコンサルタント・田中さん(以下、田中さん):2013年から2014年にかけて、海外クルーズ会社がリーズナブルなクルーズ船の日本発着クルーズを続々と開始しました。どのクルーズ会社も、日本に根付いてしまっているクルーズ船=豪華客船という敷居の高いイメージを払拭するために、一泊10,000円代〜で楽しめるようなリーズナブルな格安クルーズを売り出すようになってきています。
——リーズナブルなクルーズ以外のクルーズ旅行としては、どのようなものがあるのでしょうか?
田中さん:気軽に楽しめる日本発着クルーズは、いわばクルーズ旅行の入門編といった内容です。それ以外には、フライ&クルーズといって、海外の港から出航するクルーズ船に乗るツアーがあり、海外の港まで飛行機で向かいます。地中海・エーゲ海・バルト海・カリブ海といった場所がフライ&クルーズでは有名ですね。フライ&クルーズで体験する船旅は、日本発着クルーズに比べてクルーズ自体のダイナミックさも違ってきますし、世界の広さを体感していただける魅力があふれていると思います。
——今後、カジュアルに楽しめるクルーズが日本に浸透していくことで、クルーズ旅行業界はどのような動きになっていくと思われますか?
田中さん:クルーズ旅行人口がリーズナブルに楽しめるクルーズによって増えていくという動きは間違いなく大きくなっていくと思います。そしてクルーズ旅行人口が増えていく中で、お客様が旅行代理店のオプションやキャンペーンなどで求めるサービスのレベルも上がっていくことが考えられます。多くのクルーズ会社が参入してくることによって、乗ることのできるクルーズ船の選択肢も増え、旅行代理店が扱うクルーズ旅行ツアーも増えていくでしょう。そのため当社でも、他社よりも満足度の高いキャンペーンや特典をお客様のためにご用意していく必要があると考えています。
日本発着クルーズだけじゃない。大型客船の船旅に慣れたら、フライ&クルーズで世界の広さを体感する冒険へ出発
——日本発着クルーズが流行し、クルーズ旅行の経験者が増えていく中で、リピーターの方々にはどのような新たなクルーズ旅行の提案をされていくのでしょうか。
田中さん:2回目、3回目というリピーターのお客様に関しては、日本発着クルーズのような手軽な国内・海外クルーズから、地中海・エーゲ海・バルト海・カリブ海などに向かうフライ&クルーズをご提案するようにしています。フライ&クルーズもご体験されたお客様には、よりエキサイティングな冒険の船旅を楽しんでいただくために、当社では「極地」へのクルーズも提案し始めています。北極クルーズや南極クルーズといった、日常を離れた別世界へのクルーズ旅行です。そういった壮大な船旅のスケールアップの流れというのは、今後何年もかけてお客様に認知され、浸透していくものだと考えていますが、最終的には日本発着クルーズをきっかけとして、「世界の果てまでクルーズ船でいける」というような新しい旅行文化が根付いていけばよいと考えています。
——お客様から聞いたクルーズ旅行の思い出エピソードなどがあれば教えていただきたい
田中さん:当社では、クルーズ旅行の感想をアンケートでフィードバックいただいているのですが、やはり多いのは、銀婚式や金婚式でクルーズ旅行を利用したというお客様ですね。「一生に一度の船旅ができた」というたいへん満足度の高いアンケートのお返事を多数いただいています。
クルーズ旅行は船の大きさによって過ごし方も変わる。寄港地でのご当地の楽しみも存分に味わいたい
——最後に、クルーズ旅行の魅力をまだ知らない方や、これからクルーズ旅行を体験してみたいと思っている方に、メッセージをお願いいたします
田中さん:クルーズ船に乗ったことのない方は、まずは日本発着クルーズをお楽しみいただき、クルーズの良さ、魅力を存分に味わってください。日本発着クルーズは、フライ&クルーズのように移動に飛行機を使う必要もなく、手軽に参加できるので特におすすめです。今回、説明会を行ったスタークルーズ社「スーパースターヴァーゴ」のような7万トン級の客船クラスは、大きすぎず散策しやすいちょうど良いサイズ感となっています。
——クルーズ船の大きさによって、過ごし方も変わってくるものなのでしょうか?
田中さん:そうですね。10万トン以上のサイズの客船になると、大きすぎて一週間の旅路の間にすべての施設を回りきるのが困難なケースもあります。逆に5万トン以下で小さすぎると窮屈だったり、やや飽きがきたりする可能性もあるのです。その点、7万トンクラスはそういった意味でちょうどよいスペックを持っているのでおすすめですね。また、日本発着クルーズだと海外クルーズでも日本の寄港地が多くなるのが楽しみのひとつです。たとえば、スタークルーズ社「スーパースターヴァーゴ」の航路は横浜・清水・大阪・鹿児島・上海ですが、日本人でも日本のことを意外と知らないことは多いものです。上海へ向かうまでの船旅で、日本国内のご当地の魅力をぜひとも楽しんでください。そして、クルーズ旅行の魅力をたっぷりと体感いただいたら、次回はフライ&クルーズでより遠くの目的地へいく船旅へと足を伸ばしていただければ幸いです。